オメガのオールセラミックケース

時計特集

「スピードマスター ムーンウォッチ 〝ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン〟」はケースだけでなく、ベゼルもセラミックス製のため、ベゼルにタキメータースケールとモデル名“DARK SIDE OF THE MOON”と刻印するためにはレーザーが使用される。同じくセラミックス製のケースバック(フレーム)の刻印にもレーザーが用いられる。

アルミナの粒子で研磨され、全面がポリッシュ加工されたセラミックケースとラグは、回転するダイヤモンドディスクに当てられ、ポッリシュに加え、サテンのコンビ仕上げが施される。


 実際にプロトタイプの製作が始まると、現場からはすぐに悲鳴が上がったという。

「セラミックスは原料を固めて焼結する際に、素材の内部に気泡が入りやすい。気泡が入らないように原料の密度を高くすると、今度は硬くなってしまう。しかも、高密度のセラミックスは必然的に高品質になるので、コストも上がってしまう。私は現場に檄を飛ばし、開発を推進しました」

 具体的に、セラミックス製のケースはステンレススティール製に比べて20倍の作業工程を要するという。これらの困難を乗り越えて発表されたのが「スピードマスター ムーンウォッチ 〝ダークサイド・オブ・ザ・ムーン〟」である。モナション氏の積年の思いが結実したオメガの代表作のひとつと言っていいだろう。まさに、製造現場の悲鳴が聞こえてきそうだが、完成品の素晴らしさを目にした彼らの悲鳴は歓喜のそれに変わったに違いない。モナション氏の〝パッション〟が結実させた理想の〝ブラックウォッチ〟の誕生だ。

レーザーでタキメータースケールが刻まれたセラミックベゼルの溝には金属加工が施され、刻印がはっきりと判読できるように加工される。

Contact info: オメガお客様センター Tel.03-5952-4400

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