松山猛の台湾発見「いかにして烏龍茶の絶対的美味をひき出すか」

時計特集

新北市内にある茶芸館の様子(画像提供:台湾観光局)。茶盤の上で女性店員がゲストに功夫茶を振る舞う。文中にも出てくるが、「功夫(クンフー)」とは“ていねいに”という意味であり、主に青茶(烏龍茶)に使われる。

 さて、茶器集めも結構楽しいもので、茶船、茶海、茶壺、茶杯などいろいろこった物があるし、日本には清朝の頃に舶来した中国の茶器も多いから、骨董市で昔の物を探すのもおもしろい。僕は「若深珍蔵」銘のはいった、煎茶器として渡ってきた茶杯や、明(みん)末くらいのなずな手の染付杯、錫製の茶托などを手に入れて、日々の茶を楽しんでいる。茶杯は白磁の物が、茶の色をはっきりと見せてくれるから好ましく、陶製の物でも見込みの部分に白釉がかけられているものなら良い。
 水は軟水系のミネラルウォーターか、できることなら井戸水、少なくとも浄水器を通したカルキ臭のないものを用い、それをおもいきり沸騰させて用いる。火から下ろしたて、約90〜95℃の湯が最適の温度なのである。

泡茶用具

まず揃えたいのが大小の茶壺と茶杯。
茶船は茶壺や茶杯を温めるために湯を張るちょっと深めの皿状の器。 
茶海は、茶壺で抽出した茶を移しかえる器で、必要以上に茶を濃くせぬための工夫だ。
他にも茶壺の水気をきり、卓上をぬぐうためのナプキン。
茶を置くためのへら(これは茶葉を取り出す時にも使う)。
常に高温の湯を沸かすためのポット。これは電気式の市販品でよいだろう。

泡茶のいれ方

① 温壺
茶船に茶壺(急須)を置き、蓋を取り、熱湯を器半分くらいまで入れ、蓋をしてその上からさらに熱湯を注ぐのが温壺。すぐに茶壺は温められるので、茶船の中に湯を流しだし、茶杯をその余熱で温める。
② 置茶
文字通り茶葉を茶壺に入れることだが、これにはいろいろな流儀がある。詔安式泡茶のように懐紙を使うものもあるが、一般的には漏斗風の器具や、竹製の茶筒を使い茶壺に5分目くらいの葉を置く。
③ 温潤泡
約95℃の熱湯を茶壺に注ぎ、蓋をした上からまた湯を注ぐ。温潤泡といって茶葉を蒸すのだ。そしてすぐにそれを茶海にすてる。これをしないと、おいしいお茶はでてくれないので注意。
④ 第一泡
茶壺に再び熱湯を注ぎ、蓋の上からも湯をかけ、約1分待つ。その間に茶海の1煎目の湯を茶杯に注ぎ、それを温めてすてる。2煎目が抽出できたら、それを茶海に移しかえる。
⑤ 傾茶
こうしてすべての器が温められ、かぐわしい茶がでた。それぞれの茶杯に注ぐことを傾茶という。3煎目は少し時間をのばしていれる。常に沸騰に近い湯と、器を温めること。これで美味な茶が味わえる。

松山猛プロフィール

1946年8月13日、京都市生まれ。
1964年、京都市立日吉が丘高等学校、美術工芸課程洋画科卒業。
1968年、ザ・フォーク・クルセダーズの友人、加藤和彦や北山修と共に作った『帰ってきたヨッパライ』がミリオンセラー・レコードとなる。
1970年代、平凡出版(現マガジンハウス)の『ポパイ』『ブルータス』などの創刊に関わる。
70年代から機械式時計の世界に魅せられ、スイスへの取材を通じ、時計の魅力を伝える。
著書に『智の粥と思惟の茶』『大日本道楽紀行』、遊びシリーズ『ちゃあい』『おろろじ』など。

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