誰がどう着けこなす!? 770万円、世界限定35本の“究極G-SHOCK”

時計特集

ウォッチジャーナリスト渋谷康人の 役に立つ!? 時計業界雑談通信

「伝説」に新たな1ページを加えるG-SHOCK金無垢モデルがついに製品化

渋谷ヤスヒト:取材・文 Text by Yasuhito Shibuya
カシオ計算機:写真 Photographs by CASIO

2018年12月発表時のオフィシャル写真。ただし、最終仕様ではない。


 2018年12月13日のイベントで正式に発売が予告されていた18Kゴールドケース&ブレスレットのG-SHOCK「G-D5000-9JR」の価格と発売開始時期、販売方法が2月25日、予定通り発表になった。

 価格は770万円(税別)。完全受注生産で世界35本限定。2019年5月15日から全国13店舗のみで受注を開始し、12月以降、随時納品と発表されている。

 ところでこの告知は、カシオ計算機ではなくPR会社からの発信だった。なぜこのカタチになったのか? “投機対象としてクローズアップされる”ことはできるだけ避けたい。おそらくそんな意図があったのではないだろうか? いわゆる「転売ヤー」嫌いの筆者は勝手ながらそう思っている。

 770万円という価格にはさまざまな感想や意見があるだろう。ちなみに筆者は、加工の手間を考えると、これは至極妥当な金額だと思う。

 もっとも機能だけで考えれば、この価格はあまりに高価だ。「タフソーラー」で「マルチバンド6」つまりソーラー駆動で世界6局の標準電波に対応した、耐衝撃性能を備えた電波時計だ。最新のスマートフォンとつながるスマートリンク機能は非搭載で、素材が樹脂ケース&ブレスレットのG-SHOCK(※注1)なら税別2万円、メタル素材のG-SHOCK(※注2)でも税別3万8000円で同じ機能を手にできる。

 だが、この金無垢G-SHOCKの魅力と価値は、機能とはかけ離れたところにある。それはゴールドという素材が実現した、35年以上の歴史を持つG-SCHOKの中でも最強の存在感とオリジナリティーだ。

 誰もが不可能と思った「タフネスの究極」と「金属の究極」の融合を実現したこのスペシャル限定モデル。日本の時計史上、技術でもスタイルでも、これほど強烈な存在感とオリジナリティーを持つ腕時計はない。それは、どんなに高価で複雑な贅を尽くしたスイスの高級時計にも負けない。筆者は自信を持ってそう断言する。

 実は原稿を書き始める前、スイスの名だたる名門ブランドの、傑作の誉れ高いモデルの金無垢バージョンの価格やスペックをリストアップしてみた。だが始めてすぐに「比べることがそもそも間違いだったな」と後悔した。このG-SHOCKはそんな比較を無意味にする、異次元の存在なのだ。

 今、心から楽しみなのは、この異次元の腕時計を世界の誰が、どのように着けこなして見せてくれるのか、ということ。果たしてそれは誰なのか。どんな人なのか。

“G-SHOCKの父”である伊部菊雄氏。現在はカシオ計算機の時計企画統轄部に在籍。

 ところで参考資料の冒頭には、インパクトのある一節があった。「昨年 35周年を迎えた耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK”の最後を飾るスペシャルモデルとして」というところだ。この「最後」は、もちろん「G-SHOCK」の終わりを意味しているわけではない。2018年12月の発表イベントで後進へのバトンタッチを表明した“G-SHOCKの父”である伊部菊雄氏「最後の製品」という意味だろう。これまで「G-SHOCK」の世界を作り上げてきた伊部氏、そして氏と共にG-SHOCKの開発・製品化に携わってきた方々に、改めて心から賛辞を贈りたい。

 35年間、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。


※注1「GW-M5610-1JF(またはブラックバージョンの1BJF)」
※注2「GW-5000-1JF」

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