有名ジャーナリストが選ぶバーゼルワールド2019新作ベスト5/エリザベス・ドーア

時計特集

3月20日のプレスデーで幕を開け、26日に閉幕したバーゼルワールド。100年以上の歴史を持つ世界最大規模の同展で、現地に足を運んだジャーナリストたちはなにを見て、なにを思ったのか。国内外の著名ジャーナリストにバーゼルワールドで発表された2019年新作からベスト5をそれぞれ選んでもらった。

Quill & Pad』編集長のエリザベス・ドーアが選ぶ新作ベスト5


5位ヴティライネン/28ti

カリ・ヴティライネンが手掛けるヴァントゥイット用ムーブメントの全てをこの作品から知ることができます。なぜなら、この時計にはダイアルがなく、代わりに通常とは逆向きに取り付けられたムーブメントを表側から見られるからです。当然ながら、このようにムーブメントを配置するためには精緻な技術が求められます。このようなブティライネンの時計は初めて見ました!

ヴティライネン「28ti」
手巻き
32石
1万8000振動/時
パワーリザーブ約65時間
Ti(直径39mm、厚さ13.40mm)
価格未定


4位タグ・ホイヤー/オータヴィア キャリバー5 COSC

キャリバー5 COSC

タグ・ホイヤーはかつてのオータヴィアをヴィジュアルインスピレーションとして復刻するなど、過去を振り向いているようですが、「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02T ナノグラフ」でカーボンヒゲセンマイを使用したように、新しい技術を取り入れています。このヒゲゼンマイはオータヴィアでも使用されています。斬新なムーブメントを搭載しているにもかかわらず、外装はヴィンテージウォッチを彷彿とさせる魅力があることに驚かされました。

タグ・ホイヤー「オータヴィア キャリバー5 COSC」
自動巻き(新イソグラフヒゲゼンマイ搭載Cal.5)
25石
2万8800振動/時
パワーリザーブ約38時間
SS(直径42mm)
100m防水
ブルー、ブラックダイアルモデル/2019年6月発売予定
SSブレスレット各42万5000円(税別)
レザーストラップ各38万5000円(税別)


3位グランドセイコー/エレガンスコレクション スプリングドライブ20周年モデル SBGZ001

スプリングドライブ20周年モデル

20周年を迎えるセイコーのスプリングドライブの技術に敬意を表し、私はこの作品で表現される「joie de vivre(生きている喜び)」を敬愛します。この時計のデザインは日本の自然の景観から着想を得ています。プラチナケースを採用した限定モデルの文字盤は、この時計を製作するファクトリーがある信州の山々に積もる雪の美しさを意匠化したものです。「雪白」と呼ばれる著名な雪の結晶模様が、手彫りの装飾がされたプラチナケースを引き立てています。

グランドセイコー「SBGZ001」
手巻きスプリングドライブ(Cal.9R02A)
39石
パワーリザーブ約84時間
Pt(直径38.5mm、厚さ9.8mm)
日常生活防水
世界限定30本
800万円(税別)


2位ゼニス/デファイ インベンター

デファイ インベンター

2017年の終わりごろに発表された「デファイ ラボ」で培った技術を応用して、ゼニスは今、腕時計用の最先端ムーブメントを作っています。この直径44mmのチタニウムとアエロニス製ケースを持つ腕時計が動いている様子は、一度見れば忘れないでしょう。このオシレーターは12万9600振動/時という高振動ながら、その動きを目で見ることができるのです!

ゼニス「デファイ インベンター」
自動巻き(Cal.9100)
18石
12万9600振動/時
パワーリザーブ約50時間
Ti×アエロニス(直径44mm、厚さ14.5mm)
5気圧防水
価格未定


1位MB&F/LM フライングT

この時計は私にとっての“ウォッチ・オブ・ザ・イヤー”です。このトゥールビヨンを見るためにバーゼルワールドに来たと言ってもいいほどです。マクシミリアン・ブッサーが女性向けモデルとして「LM フライングT」を新開発しました。サイズ的にユニセックスモデルなのかもしれませんが。この時計が明確な技術とエレガントさを持ち合わせている点を大変気に入りました。そしてダイヤモンドセッティングの多様さが、エレガントさに花を添えています。

MB&F「LM フライングT」
自動巻き
30石
1万8000振動/時
パワーリザーブ約100時間
18KWG(直径38.5mm、厚さ20mm)
3気圧防水
価格未定



選者のプロフィール

Photograph by Guy Lucas

Elizabeth Doerr/エリザベス・ドーア

時計とそれに関連したラグジュアリーなテーマを扱うオンラインマガジン『Quill & Pad』の編集長。1991年より時計専門誌の出版に携わりはじめ、『Wristwatch Annual』のシニアエディターを12年間務める。FHH(高級時計財団)の文化委員会に2012〜18年まで参加。また、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリの19年の審査員でもある。主な著書に『12 Faces of Time』『Bridging Art and Mechanics: The Unabridged Story of the Corum Golden Bridge』。また、『Forbes.com』や『CNN Style』のコントリビューターである。

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