いわゆる実用時計と高級時計、何が違うの?/ぜんまい知恵袋〜時計の疑問に答えます〜

時計特集

Q:いわゆる実用時計と高級時計、何が違うの?

広田雅将

A :機械式時計の場合、明確ではありませんが、実用時計と高級時計を分けて考えることは可能です。一般的に、前者は主ゼンマイの力が強く、針が太い。また振動数が高い傾向にあるため精度が出しやすいという特徴を持っています。ただしハイビート機はパーツの摩耗が早くなるためオーバーホールの度に特定の部品を交換する必要があります。また、一般的な腕時計は生産中止後、国産時計メーカーは10年、スイスの一般的な時計メーカーでも10〜30年ほどしかパーツを保有しないため、持ち主が手にしてから一生、直せるとは限りません(過去記事:時計の寿命って一般的にどれくらい?/ぜんまい知恵袋〜時計の疑問に答えます〜)。こういった時計の例には、ロレックスやオメガ、ETAを搭載した機械式時計などがあります。

F.P.ジュルヌ, クロノメーター・スヴラン

高級時計の一例。F.P.ジュルヌ「クロノメーター・スヴラン」のCal.1304は精度を出すためテンプのサイズこそ大きいが、主ゼンマイのトルクを弱くすることでムーブメントの寿命を延ばしている。手巻き(Cal.1304)。22石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約56時間。Pt(直径40mm、厚さ8.6mm)。3気圧防水。

一方の高級時計は、寿命を延ばすために主ゼンマイの力を弱くしたり、針を細くしたり、振動数を低めに設定しているものが多いです。ロービートはハイビートと比べると精度を出すことが難しいですが、ロービートを搭載する高級機では歯車を磨いて抵抗を減らすといったコストと手間を掛けることで、ハイビート機に遜色ない精度を得ているのが特徴です。高級時計の例としては、パテック フィリップやA.ランゲ&ゾーネ、F.P.ジュルヌなどが挙げられます。また、これら高級時計メーカーの多くは“生涯修理”をうたっています。ただ現在は、実用時計と高級時計の境目は曖昧になっています。


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