スウォッチ グループについて知ろう。グループ関係やブランドについて

時計特集

ウォッチブランドをより深く理解するためには、コングロマリットを中心とする勢力図の把握が欠かせない。時計業界最大のスウォッチ グループを軸として、時計産業の歴史と技術の変遷を捉え直してみよう。そこには今まで見えなかった景色が広がっているはずだ。


スウォッチ グループとは

スウォッチ グループとは、18の時計ブランド(日本の展開では13ブランド)を含む160以上もの事業組織と30カ国以上に及ぶ現地法人を統括する、時計業界最大のコングロマリットである。

ブレゲやブランパン、エボーシュメーカーの筆頭ETAを擁し、時計業界を牽引する事業規模と不動の地位を確立している。

スウォッチ グループはいかにして一大コングロマリットを形成するに至ったか、スイス時計業界の歴史と同義ともいえるその変遷を見ていこう。

ニコラス・G・ハイエック

1983年にASUAGとSSIHが合併してSMH(後のスウォッチ グループ)が誕生。グループの設立を推し進めたニコラス・G・ハイエックが初代CEOに就任した。

スウォッチ グループの歴史

スイス時計産業では、古くから中小企業の連携が盛んであった。1926年に至り、ETAを中心とした企業集団「エボーシュSA」が成立することとなる。

1929年の世界大恐慌はスイス時計産業にも深刻な影響を及ぼしたが、1930年にはスイス銀行協会やオメガによる「SSIH」、1931年にはスイス銀行連盟やロンジンによる「ASUAG」を発足させ生き残りを図った。

1969年12月25日にセイコーが発売したクォーツ式時計により、いわゆる“クォーツショック”が時計業界を震撼させ、1983年にSSIHとASUAGは生き残りをかけて合併。もうひとつのグループのエボーシュSAのETA社より同年、「スウォッチ」が発売される。

1986年にはSSIH・ASUAG、エボーシュSAを統合したETA、1985年に独立したスウォッチが合併して「SMH」グループが結成され、1998年に至り「スウォッチ グループ」と改名されたのだ。

特徴やグループ内の格付け

時計業界で大きなシェアを占めるグループには、他にリシュモングループやLVMHグループがあるが、これらは宝飾メゾンや服飾メゾンを母体とし、時計業界への参入はブランド戦略と買収によるものだ。

これに対し、スウォッチ グループはスイス時計産業の伝統に根差した、より時計製造・販売にフォーカスしたコングロマリットである。時計宝飾ブランドは、価格帯や購買層によって以下の4レンジに分類される。

「プレステージ&ラグジュアリーレンジ」は、スイス高級時計の代名詞オメガをはじめ、スイス時計の最高峰ブレゲや機械式時計のパイオニアであるブランパン、ほかにハリー・ウィンストン、ジャケ・ドロー、グラスヒュッテ・オリジナルなど6ブランドが含まれる。

「ハイレンジ」の代表格はロンジンやラドーだ。「ミドルレンジ」にはティソやミドー、ハミルトンなど、「ベーシックレンジ」にはスウォッチと、特色あるブランドが並ぶ。


その他の主な時計製造グループ

時計業界を形成する勢力は、複数の「コングロマリット」と、これらに属さない「独立企業」、企業に属さず時計製造を行う時計師の「独立時計師アカデミー」(AHCI)という3種に大別できる。

これらのうち、特に勢力の強いものを紹介しよう。

リシュモングループ

1988年に設立した「リシュモン」は、時計業界においてスウォッチ グループに次ぐシェアを占めるコングロマリットである。

宝飾に強みを持つカルティエやピアジェをはじめ、ヴァシュロン・コンスタンタンやA.ランゲ&ゾーネ、ジャガー・ルクルトといったマニュファクチュールも傘下に収める。

スウォッチ グループのETAに対し、リシュモン グループではヴァル フルリエのエボーシュ、通称「リシュモン キャリバー」が名高い。これは同グループのパネライやIWC、モンブランの一部ウォッチに採用されている。

LVMHグループ

ジャン-クロード・ビバー

ブランパン再興の、そして機械式時計復興の立役者のひとりであるジャン-クロード・ビバー。2008年からはLVMHグループに参画し、18年までLVMHウォッチ部門の責任者としてグループを牽引した。

1987年に設立した「LVMH」(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は、服飾・化粧品・ワインなどの75に及ぶブランドを擁する、ファッション業界における世界最大のコングロマリットである。

時計業界への参入は1999年、ショーメ、タグ・ホイヤーとゼニスの買収を契機とするが、スウォッチ グループ、リシュモンに次ぐ第3のグループへと急成長を遂げている。

2008年にはウブロ、11年にはブルガリを傘下に収め、時計宝飾ブランドを強化した。機械式時計を強みとするスウォッチ グループやリシュモン グループと異なり、スマートウォッチに注力している点で差別化の動きが見られる。

独立企業

独立企業のうち、売上ベースで大きな存在感を示しているのはロレックス、フォッシル、パテック フィリップ、それに日本勢のシチズン時計やセイコー ウォッチだ。

ロレックスはチューダーとの2ブランド展開ながら、スウォッチ グループやリシュモン グループに並ぶシェアを持つ。

フォッシルは、ディーゼルやマーク ジェイコブズといった服飾メゾンに、独自のスマートウォッチをフィットさせることで売り上げを伸ばしている。

世界3大時計メゾンのうち、パテック フィリップとオーデマ ピゲは独立企業である。なお、オーデマ ピゲはムーブメントメーカーのオーデマ ピゲ・ルノー エ パピを傘下に収めている。

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