機械式液体制御時計を着用してみた/HYT「H0 ゴールド ブルー」

時計特集

HYT「H0 ゴールド ブルー」

2012年のバーゼルワールドで鮮烈なデビューを果たした「HYT(ハイドロ・メカニカル・ホロロジスト)」は、以降ウォッチコミュニティーにおいて常に注目を集めるブランドである。
それはニューシャテルに本拠地を置く同社が、デビュー作のH1を皮切りに、H2、H3、スカルなど、既成概念にとらわれない個性的なコレクションを発表し続けているからにほかならない。
そんなHYTのプロダクトに対して、筆者は長い間、「そんな個性的な時計を手首に乗せたときにどのように見え、またどのような感情を抱くだろうか」という好奇心を常に持ち続けていたのだ。
そしてついに、HYTの最新モデル「H0 ゴールド ブルー」と数週間を共にする機会を得ることに成功したのである。

H0 ゴールド ブルー

HYT「H0 ゴールド ブルー」
手巻き(Cal.101)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。18KYG(直径48.8mm、厚さ18.7mm)。3気圧防水。777万円(税別)。
Originally published on watchtime.com
Text by Mark Bernardo

HYTでは最もトラディショナルなイメージを纏う

 いつもインプレッションを行うときと同様に、最初はケースから見ていきたいと思う。H0は大きくがっしりした18Kゴールドの塊で、手首の上に載せると、かなりの重量を感じる。ラウンド型に成形された2N(18Kイエロー)ゴールド製ケースは直径が48.8mmと大振りで、マイクロブラストとポリッシュ、さらにサテンの3つの仕上げによって滑らかな表面が与えられている。

 このケースに、H0を印象付ける反射防止加工付きボックス型サファイアクリスタル風防を取り付けることで、ケース厚は18.7mmにもなる。これは袖口ギリギリの厚さだ。

 刻みのついたリュウズは2時位置に配置されている。リュウズはケースサイズからすれば小さめだが、巻き上げや時刻合わせ時の操作は容易である。そして時刻合わせ時には、“ハイドロ・メカニカル・ホロロジスト”らしく、時間の経過を示すキャピラリー(ガラス管)内のブルーのリキッドが、12時位置の分針と同期するようになっている。

H0 ゴールド ブルー

HYTのロゴが、刻みのついたリュウズのセンターに刻まれている。このリュウズはケースサイズを考えると決して大きいとは言えないが、斜めに入れられた刻みによって掴みやすくなっている。

 文字盤を見ていこう。初作のH1やその後展開されたH2やH3などのような、文字盤に開口部が設けられ、ムーブメントの機構が露出していたモデルや、重厚な外観に時間計測機能が押され気味だった近年のスカルに比べると、H0はHYTの時計としてはむしろトラディショナルなデザインにも思える。ダイアルに用いられるオパーリン仕上げのゴールドはソリッドな印象で、エングレービングされたインデックスや目盛り、サテン仕上げとマイクロブラスト仕上げが組み合わされたサブダイアルから構成される。

 12時位置に配される一番大きなサブダイアルは、1本の針によって表される分表示で、9時位置のスモールセコンドに覆いかぶさるように配置されている。もうひとつ、3時位置にある腎臓のような形をした開口部を持つサブダイアルは、パワーリザーブインジケーターだ。

H0 ゴールド ブルー

約65時間のパワーリザーブは、その残量を腎臓のような形をした開口部に、カラーで表示される。画像は主ゼンマイがあまり巻かれていない状態。パワーリザーブ残量が多くなれなるほど、この開口部におけるブルーの占有率が高くなる。

 外周部にエングレービングによって追加された「18」から始まる数字はダイアル上のインデックスと同様にアワートラックである。ダイアル上のインデックスが「6」時を示すときは側面が「18」時、ダイアルが「17」時を示す際は側面が「5」時と、午前と午後が対応するように数字が彫られている。

 エングレービングされたアワーマーカーは、少々薄く控えめであるため、明かりが十分でない場所での視認性は低くなるかと思われた。しかし、特に私のような、時、分、秒を同軸上に表示しないレギュレーターダイアルのファンにとっては、この独特な表示方法に一度でも慣れることができれば、以降は直感的に認識することができる。

H0 ゴールド ブルー

ダイアル上だけではなく、ダイアル側面にもアワーマーカーが刻まれる。立体的なダイアルを覆うように装備されるボックス型サファイアクリスタル風防も同作を印象付けるポイントのひとつ。

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