【名作スーパーカー型録】File.03「RUF CTR」“伝説のイエローバード”

ニュース

RUF CTR
ルーフ シーティーアール

RUF CTR イエローバード

[GENROQ Web 転載記事]
山崎元裕:文
Text by Motohiro Yamazaki

ドイツの自動車メーカー「RUF」

 南ドイツのファッフェンハウゼンに本社を置くRUFオートモービル社は、ドイツの自動車メーカーとしては、最も小規模で活動を続けるメーカーといえる。彼らが主力として生産しているコンプリートカーは、車体に独自のVINコードを刻むプレートが掲げられることからも証明されるように、あくまでもRUF車であり、ポルシェのチューニングカーではなく、RUF独自による生産車だ。ここ数年はジュネーブ・ショーへも出展し、その知名度はこれまで以上に高まりつつある。

RUF CTR イエローバード

姿形こそポルシェ930だが、中身は別物

 RUFの歴史は、すでに半世紀を大きく超えているが、その中でも同社の名を世界に轟かせるために大きく貢献したモデルが、1987年に発表された「CTR(カレラ・ターボ・ルーフ)」だ。C=カレラの文字が物語るように、CTRは930型カレラのボディをベースとしているが、ボディパネルの多くはアルミニウム製に、さらにルーフのドリップレールを廃止し、左右のドアミラーをコンパクト化、リアのバンパーには熱対策のスリットを採用するなど、ポルシェ911のシルエットを継承しながら、RUF独自の戦闘的なフィニッシュを実現しているのが魅力であり、また強い個性でもある。

 コクピットも機能的な2シーターデザインだ。実際にポルシェ911から大きな違いを感じるのは、RUFのエンブレムがセンターにレイアウトされたステアリングホイールや、安全性とともに剛性を高めることにも大きく貢献するロールケージ、そしてトリムのアルカンターラなどによるスパルタンな雰囲気。こうしたRUF独自のアイテムが多用されていたのも印象的だった。

RUF CTR イエローバード

最低保証として掲げたのは最高出力469ps&最大トルク553Nm

 リアに搭載されたエンジンは、RUFによって98×74.4mmのボア×ストロークが設定された、3.4リッター空冷式水平対向6気筒ツインターボ。最高出力469ps、最大トルクは553Nmと当時発表されていたが、これはRUFの企業理念でもある、世界中のどのような環境下においても、それが達成できるという最低保証の数字。つまり、さらに好条件ならば、RUFはより高い性能を発揮することになる。

RUF CTR イエローバード

最高速度342km/hを記録した「イエローバード」

 RUF CTRの存在が一気にクローズアップされたのは、当時最新のスーパーカーを集めて行われた、メディアによる最高速テストにおおけるリザルトだった。さまざまな最新のライバルを前にCTRが記録した最高速度は、トップタイムとなる342km/h。この時持ち込まれたCTRは、鮮やかなイエローに塗装されたモデルで、その姿からメディアはCTRに“イエローバード”というニックネームをつけた。ちなみにこの時テストされたモデルは5速MT仕様だったが、RUFは後日マイナーチェンジで6速に変更している。

 CTRは、ポルシェからホワイトボディが供給され生産に移されるが、実際に造られたのは30台のみ(ほかに数台のプロトタイプも存在する)。2017年には、このCTRを現代の最新技術で再現したCTR 2017を発表。それもやはり30台の限定車だった。

Recommend おすすめ記事

News ニュース