松山猛のバーゼル日記【3月23日】今日も快晴 アーノルド&サン

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バーゼル日記【3月23日】今日も快晴 アーノルド&サン



  今年のバーゼルワールドは好天に恵まれ、朝晩は冷え込むものの日中の気温は15度くらいに上がり快適に過ごせるのがありがたい。
 今日訪ねたのは“アーノルド&サン”。海洋王国イギリスが七つの海を駆け巡った時代に、高精度のマリンクロノメーターを数多く供給することができた、ジョン・アーノルドとその息子の時計工房の名前を関して、新しい歴史を刻み始めた時計ブランドだ。

 このブランドを技術的に支えてきたのが、ムーブメントメーカーである、ラ・ジュー・ペレという会社で、様々な時計メーカーのために高品質なムーブメントを供給してきた。
 そしてその会社の一翼だったアーノルド&サンは、シチズンがラ・ジュー・ペレを傘下に組み込んだためにシチズンの一員となり、これまで以上に安定した環境の中で、独特の世界観を持つ時計作りを進めている。
 必要なものを自社で製作できるということは、ほかのサプライヤーに頼る必要がないから、思うがまま時計作りができるという、大きなメリットを持っているといえるだろう。
 タイム・ピラミッド・トウールビヨンはその強みを生かし切った時計だという印象を僕は持っている。その繊細極まりない部品によって構成される、まさに工芸品的な時計なのだ。


 この時計はその輪列を縦一直線に構成されている。シンメトリーに配されたその姿は、最も下段に置かれたエネルギー供給源である香箱から、左右対象に枝を広げるパワーリザーブ表示のギア、時計の中心から下にオフセンターをした時間を読み取るリングがあり、そこに時、分針を配し、その上に秒針、さらにその頂点に時をリズミカルに刻みだすテンプという、まさに時のピラミッドを構成しているのだ。
繊細なデザインによる、パワーリザーブのための針はそれぞれの香箱の中のメインスプリングの残量を示しながら動き、左側のスプリングの残量が限界に達すると、今度は右側に切り替わるのを見ることができるのだ。
 それぞれの部品は高級時計にふさわしい徹底した仕上げを施されている。ポリッシュ仕上げのブリッジは手仕上げによって面取りが施され、サーキュラーサテン仕上げの歯車、そしてブリッジへのコート・ド・ジュネーブ仕上げ、青焼きのビスや針など、そのすべてがサファイア・クリスタルによって見渡せるのだ。


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