【82点】パネライ/ルミノール マリーナ エイトデイズ アッチャイオ-44mm

スペックテスト

PANERAI Luminor Marina 8 Days Acciaio-44mm

このところ、目覚しいまでの急進ぶりを見せるのがパネライのマニュファクチュールラインだ。新たな基幹モデルは、メカの魅力もクォリティの高さも上々。8日巻きをもって、パネライらしさとは何かと力強く語りかけてくる。

アレクサンダー・クルプ: 文 Text by Alexander Krupp
パネライ: 写真 Photographs by PANERAI
市川章子: 翻訳 Translation by Akiko Ichikawa

 
point
・自社製の8日巻きムーブメントを搭載
・カルト性のある独特なデザイン
・安定性のある精度

point
・パワーリザーブインジケーターがない
・ストップセコンド仕様になっていない

センターに位置する実力

8日巻き腕時計のメリットとは何だろう? すぐに思い付くのは、休暇で1週間出掛ける時などに、出先で時計を外して置きっぱなしにしている間、針合わせをしなくても済むことだ。あるいは毎日連用しても、週に一度、決まった曜日にリュウズを巻きさえすればよい。その時計が自動巻きなら、定期的な巻き上げすら、まず必要ないだろう。そして、パワーリザーブインジケーターが付いているなら、時々チェックして必要に応じて主ゼンマイ巻き上げ、新たにエネルギーを送り込めば万全だ。

しかし、今回取り上げるパネライのルミノール マリーナ エイトデイズ アッチャイオ-44㎜は自動巻きではなく、パワーリザーブインジケーターも付いていない。ちなみに、パネライでは2014年以来、イタリア語で鋼鉄を意味する〝アッチャイオ〟という言葉をすべてのステンレススティールモデルの名の末尾に添えている。自社開発をコンセプトとしたコレクションの新たな基幹として据えるべく登場したこのモデルは、秒単位までの時間をがっちり捉えるためのものではない。言うなれば、あらかじめフルに巻き上げておきさえすれば、オン/オフを問わず、1週間に及ぶ期間でも停止せずに動いていることを第一義にしたものなのだ。しかし、難点はなくもない。腕時計を複数所有するユーザーは、よく着け替えて使用するのが常だろう。このモデルが時計を収納したボックスで出番待ちをしょっちゅうするようなら、いざ出番という時、8日巻きのパワーリザーブのうち、すでに何日分が消耗しているかが不明という事態もあるのだ。
このモデルは、日付表示も秒針さえもなく、1分単位のインデックスも備えておらず、静けさが漂っている。収納場所から取り出して着用する時、5分おきのインデックスだけを頼りに、電波時計などを利用して現在時刻に一番近いインデックスに針を置いて待ちつつ、時間合わせをしっかりやり遂げるには、やはり落ち着きが必要だろう。もっとも、ストップセコンド仕様にはなっていないので、待つ間にも分針は進んでしまう。そのため、合わせたい時刻の少し手前に針を置いて微調整しなくてはならない。いずれにせよ、新たに設計されたムーブメントならば、より正確な時刻合わせのためにも、やはりストップセコンド機構はあらまほしき装備だ。

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