【78点】ポルシェデザイン/ 1919 デイトタイマー 70Y スポーツカー リミテッド・エディション

スペックテスト

初号車の356から最新レーシングカーの919ハイブリッド Evoまで、ポルシェの70年間の歴代スポーツカーがグッドウッドに集結した。

ヒルクライム会場で大勢の観衆の見守る中、2台の356に挟まれて停車する918スパイダー。筆者はドライバーとして参加し、またとない機会に鳥肌が立つほど興奮した。

モーターの性能

 話をグッドウッドに戻そう。我々は敷地内のグッドウッドハウスと呼ばれる大邸宅の前に向かって走りながら、フル回転で轟音を立てる他の多くのクルマに混じって918スパイダーをヴオォンと大きくいななかせた。電気モーターならではの音も同時に響き渡る。これは風格を漂わせて走る他のドライバーを、あぜんとさせる楽しみのためだけではない。我々のクルマの爆音の大きさは、宇宙船の打ち上げを思わせるほどだ。そして918スパイダーは、バッテリーの充電残量が十分にある状態であればV型8気筒エンジンを始動させずに、電気モーターで150㎞/hまで出すことができる。

 それに対して、1919デイトタイマーの心臓部は純粋なる機械式だ。内蔵されるセリタ製自動巻きキャリバーSW200は、フルに巻き上がった状態から約38時間のパワーリザーブを持つ。時計の場合、クルマとは違って速度はチェック項目にはないが、重要視されるのは針の動きの均一性と正確さだ。テストウォッチに関しては、やや急ぎ気味な傾向が見られた。平均日差はプラス4.7秒/日で、まずまず問題なしといったところ。各姿勢の数値はプラス1~プラス8秒に寄り集まっているので、及第点はクリアしていると言っていい。

 この時計にはスーパースポーツカーの向こうを張るほどの、非常に大きな長所がある。それは作動のためのエネルギーが着用者の腕の動きでまかなわれ、なんら補給がいらない点だ。一方、918スパイダーには電気とガソリンが必要だが、基本的には3リットルのガソリンで100㎞も走行可能という驚異的な仕様になっている。

 さて、このレースに参加した歴代のポルシェは、グッドウッドハウスの前の砂利が敷かれた場所にずらりと揃って駐車された。オーケストラが演奏する中、花火が打ち上げられ、旗を振りながら待機している大勢の観衆がクルマとドライバーたちに歓声を上げる。かのヴァルター・レアルも感慨深そうに発言した。
「このように、あらゆるタイプのポルシェが一堂に会した高揚するひと時などもう二度と来ないだろう。心に刻み込まれる最高のレースだった」




オールドスタイルのタコメーターを思わせるデザイン

 グッドウッドでは時間を忘れるほどの興奮に包まれるが、ここでテストウォッチのことも検証しよう。文字盤は非常によく読み取れるが、白い秒針だけは、はっきりしているだけに目立つので、目で追うのに心の落ち着きが少々必要だ。文字盤はポルシェのスポーツカー登場の70周年にちなんでデザインされ、1919エタニティーをベースにしている。ポルシェデザインの他の時計コレクションに比べると未来感は前面に押し出されてはおらず、時代に左右されない仕上がりだ。数字は直線的で角を丸くした、ポルシェデザインの典型的なフォントを使用しており、これがややレトロな風味を出しているのだ。ダイアル内のグレーリングはポルシェ356のオールドスタイルのタコメーターを思わせる。文字盤には356のシルエットが描かれ、1948と発表年にちなんだ数字が添えられているのも趣深い。

裏蓋は70周年のロゴ入り。限定本数の1948は、ポルシェが市販車を発表した初年度にちなんでいる。

文字盤にあしらわれたグレーのリングは、初代356のダッシュボードにあるタコメーターに範を取ったもの。数字のフォントとの組み合わせにも、どことなくレトロな雰囲気が漂う。

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